Avaloncity Dolls

私、「信頼出来ない語り手」明智紫苑の自作小説とカスタマイズドール中心の我楽多ブログです。

ハルの冬休み

ハルの冬休み①

 私は先月、久しぶりに新キャラクタードールを製作した。しかも、貴重な(小説の登場人物としての必然性がある)男性キャラクタードールである。この人物は、私が現在執筆中の新作小説の登場人物の一人で、愛称は「ハル」である。彼についての詳細は、問題の小説を完成させたらプロフィール記事を書いていく予定である。

 このハルの頭部はモモコドールヘッドに追加植毛と再塗装をしたもので、素体は六分の一男子図鑑エイト素体を使用している。このエイト素体はボークスの1/6廃番ドルフィー少年素体よりも筋肉質の体型なので、いわゆる「男の娘」キャラクタードールを作るのに向いているかどうかは、難しいところである。そもそも、ハル君自身、今さら女の子の格好なんてするのは嫌だろう。

 私は男の娘キャラクタードールも作りたいが、そのキャラクターはまずは「自作小説の登場人物」としての必然性がないと、難しい。現在執筆中だがプロットの段階に逆戻りしてしまった小説に「男の娘」を登場させる必然性は…現時点ではないけど、「夢の神様」次第ではそのようなキャラクターが出てくる可能性はある。

ハルの冬休み②

 全身像。このコートは彼の(一応)上司である私立探偵最上ファルコのお下がりである。元々バベルシティ上層部の住人だったハルは、自分が着たい服について色々と悩んでいたが、「超女社会」バベルシティでは「女子校の王子様」的な魅力の女性たちが、地球史上の日本における宝塚歌劇団の男役スターのような人気を得ている。しかし、ハルはあくまでも自分が「男」として生きているのを自覚し、それゆえに地下に降りた。

 地下エリア社会では、彼のような「アウトサイダー」たちにも居場所がある。ハルの上司であり、兄貴分であるファルコは、義賊集団〈ステイゴールド〉と共に、バベルシティから弾き飛ばされた弱者たちを助けていく。ハルは〈ステイゴールド〉の事実上の一員である。私の新作小説の主人公は、彼らバベルシティ地下エリアの「反乱分子」たちに力を貸す事になるのだ。

ハルの冬休み③

 なぜかヒーロー気取りのポーズを取るハル君。まあ、小説本編ではヒーローらしい活躍をする事になる。彼は独自の格闘術を身に着けており、時々コロシアムで小遣い稼ぎをしている。コロシアムにはサイボーグ格闘家たちも参戦するが、ハルはあくまでも生身の人間である。

ハルの冬休み④

 ハル君…。男の子でも十分はしたないポーズです(笑)。

ハルの冬休み⑤

 ハルがかぶっている帽子は男女兼用なので、そのうち女性キャラクタードールがこの帽子をかぶっている画像を当ブログに掲載するかもしれない。こういう汎用性があるアイテムが色々とほしいのね。

ハルの冬休み⑥

 後ろ髪だけが長いのを三つ編みにしている。これはフィクションならではの髪型だろう。

ハルの冬休み⑦

 ハルの三つ編みはちょうど真ん中ではなく、やや左寄りである。

ハルの冬休み⑧

 電話ボックスの中。この「大道具」である電話ボックスはメルカリで購入したものだが、ガラス板並びにガラス板代わりのアクリル板がはめ込まれていないので、窓は枠組みだけである。私の腕ではそれらをはめ込めないのだが、UVレジンを使うという手もあるか…? いや、下手すりゃ電話ボックス本体を台なしにしてしまう危険性があるので、あえて小細工をしない。

 ハルが登場する小説『Babelcity Explode』(仮題)は、果心居士と松永緋奈の娘が主人公だが、彼女と愉快な仲間たちの小説が完成したら、次は『Avaloncity Stories』第一部の中心となる者たちの物語を描いていく。その終盤は第一部と第二部を結びつけるものになっていくのだ。フォースタス・チャオとアスターティ・フォーチュンの魂は、果心と緋奈によって緑の星アヴァロンへと受け継がれていく。


【The Manhattan Transfer - Twilight Zone/Twilight Tone】

モノトーンの女神

モノトーンの女神①

 私の小説『Fortune』に登場するキャラクター、「ネミ」ことネミッサ・ハラウェイのお人形を紹介する。彼女についての詳しい説明は後に載せる記事に書くはずだが、この人形は彼女が20歳頃のイメージである。アスターティもその頃のイメージだが、あの子は(物語の中では)14歳くらいからあの容姿が出来上がったようである。

 小説に初登場したネミは「中性的な美少女」という印象だが、この人形は大人びた女らしさがある気がする。まあ、化粧によって顔の印象が変わるけどね。

モノトーンの女神②

 ネミの人形はボークスCヘッドとセキグチmomokoボディを組み合わせたものである。私のキャラクタードールは、そのキャラクターのイメージに合わせて、違うメーカー同士のものを組み合わせたりする事がある。例えば、アスターティのヘッドはオビツ27cm女性用02ヘッドで、素体はボークスビューティーBの膝から下を同社NEO-EBのと取り替えたものだ。  ただし、『Avaloncity Stories』のもう一人のメインヒロインである松永緋奈は、ヘッドも素体もオビツの製品だ。ちなみに、別の記事で紹介している楽毅将軍(史実通り男性です)も、アスターティや緋奈と同じくオビツ02ヘッドを使っている。

モノトーンの女神③

 一見クールビューティーに見えるが、実は茶目っ気のある女の子。それがネミだ。しかし、私が『Fortune』に彼女を初めて登場させた時は、もっと冷淡なキャラクターにしようかと思っていた。それを変えたのは、彼女の元ネタである『ヘルタースケルター』の吉川こずえに似過ぎないようにしたかったからである。

 ネミが無性愛者という設定なのは、アスターティとフォースタスの関係の邪魔にならないようにするためだが、こずえがレズビアンという設定なのとかぶらないようにするためでもある。「ロクシー女王様とは違って枕営業なんてしてないよ」というアピールのための設定でもあるが、そのロクシー女王様のドール化は未定。それより先に『ファイブスター物語』のエルディアイ・ツバンツヒをドール化したいのだが、ボークスではなくオビツのヘッドと素体を使うつもりだ。

 ボークスの1/6ドール部門は昔に比べてかなり縮小してしまったので、やむを得ないのね。

モノトーンの女神④

 この一連の写真に使っている撮影セットは、楽天で注文したものだ。表はカラフルな水玉模様だが、こうしてリバーシブルで裏のオフホワイトの壁や床を使えたのだ。ちなみに私はこの商品をアマゾンで見つけてお気に入り登録したが、買い逃してしまった。それを偶然楽天で見つけて注文して届いたのがこのセットである。

 ただし、今は水玉模様の面を固定した。接合部分に瞬間接着剤を注いで固めている。

モノトーンの女神⑤

 このトップスはボークス「Whos that girl?」のものだが、この「WTG」や「ロストエンジェルス」の新作が出なくなったのは実に残念だな。レギンスパンツはバービー「Made to Move」のものだが、この「MtM」シリーズの可動性は、一般的な着せ替え人形としてはかなりの異例である。

 しかし、この写真の構図はいかにも不自然だ。ドールスタンド抜きで立たせて全身像を撮りたいと思っていたが、まだまだ工夫がいるねぇ(ため息)。

モノトーンの女神⑥

 この写真がネミの茶目っ気を表しているのね。


【池田聡 - モノクローム・ヴィーナス】

 この曲ってデビュー曲だったのか。

秋姫緋奈

 私が「CCS 18SS momoko」を迎えたのは他でもない、ぜひとも我がアヴァロンシティの看板娘2号である松永緋奈にこの艶やかな衣装を着せたいと思ったからである。ただし、せっかくお迎えしたmomoko本体のカスタムはしない。爪には金色が塗られているし、本体の完成度が高いので、これ以上手を加えられないし、ましてや、再植毛やリペイントなどで別のキャラクターに作り変える気もない。

 何しろ、初めてお迎えしたペットワークス版momokoだし、もったいないよね。それに、植毛の仕方がツインテール仕様の髪の分け目だから、手出し無用だろう。代わりにどんな服を着せようか迷うけどね。

 そう思ったが、結局は再植毛をした。やはり、着せる服の種類を増やしたいのでね。それはさておき。

秋姫緋奈①

 我が 美神 ミューズ 、緋奈。正面向きバストアップ。白く輝く胸元がまぶしい。こうしてみると、やはり緋奈は未成年の「美少女」ではなく、大人の「美女」なのだな。私は彼女を作る際、「かわいい女」ではなく「かっこいい女」を意識した。強く、賢く、美しく、セクシーでかっこいい、大人の女だ。そして、彼女やアスターティのような美女キャラクターを作るのにふさわしいのが、オビツの27cm女性型ドール用02ヘッドなのだ。

 ただし、この02ヘッドは基本的な顔立ちがかなり端正なので、十人並みやそれ以下の容姿のキャラクターを作るのには向いていない。せいぜい、目が細い地味系美人を作れる程度だ。例えば、『ファイブスター物語』(以下、FSS)のミラージュ騎士シトロン・メナー王女みたいなキャラクターだが、私が人形の目の描き方を変えたのは、メナー王女のような顔立ちのキャラクターを作りたいからである。もちろん、それだけではないが。

 まあ、そもそもリアル系ヘッドは、いかにもアニメ的なデカい目を描くのにはふさわしくないのね。

秋姫緋奈②

 全身像。衣装の元の持ち主以上にハマっていると思うのはひいき目か? そう、私は緋奈のためにこそ、この衣装一式がほしかったのだ。衣装の元の持ち主本体の出番は別にある。

秋姫緋奈③

 憂いを秘めた(?)斜め向き。オビツのノーマルボディはmomokoボディよりも胸が大きい(とは言っても、別に極端に大きくはない)せいか、余計にドキドキする胸元だ。

秋姫緋奈④

 ポーズをちょっと変えて、また全身像。

秋姫緋奈⑤

 琵琶を持つ緋奈。彼女には音楽の才能はある。『Avaloncity Stories』第一部では琴や琵琶を演奏出来るし、現代では保育士としてのスキルの一つとしてのピアノ演奏も出来る。第二部以降でも、歌ったり、楽器を演奏したりするエピソードが出てくるだろう。

秋姫緋奈⑥

 赤と青緑の対比が美しく映える。

秋姫緋奈⑦

 一転して、武骨な代物。伍子胥から譲られた魔剣 属鏤 しょくる 。この属鏤の剣が緋奈に譲られる経緯は、いずれ語られるだろう。

 ちなみに『Avaloncity Stories』の登場人物で「FSSで言えば剣聖クラス」と呼べるキャラクターの一人に彼女はいる。そもそも「戦う美女」としての緋奈のイメージは、FSSのメル・リンスや『マルドゥック・スクランブル』のバロットが元ネタなのだ。

秋姫緋奈⑧

 属鏤のアップ。長い年月をかけて「魔剣」となった「彼」には赤い宝石が埋め込まれているが、これは様々な悪霊たちを切り裂いて葬り去った結果である。そんな危険な得物を扱える者は限られている。

 緋奈には「彼」の魔力に耐えられるだけの力があるのだ。果心も一応は扱えるが、剣を用いる腕は緋奈の方が上である。果心と緋奈は第三部では魔法戦士の夫婦として登場するが、果心は武器の種類にはこだわらないので、緋奈とは違って「剣士」と呼ばれる事は少ない。

 そういえば、『シュトヘル』の主要人物たちは「剣士」ではない人が目立つ。ヒロインも含めて、剣を主要な武器にはしていない武人が目立つのは興味深い。

秋姫緋奈⑨

 それにしても、惚れ惚れする。

秋姫緋奈⑩

 最後にまた全身像。モハメド・アリの戦法を表す名言「蝶のように舞い、蜂のように刺す」とは、松永緋奈(ヒナ・アスターティ)という女剣士にも当てはまる。艶やかに華やかに、蝶のように舞い、蜂のように刺す。


【David Lee Roth - Hina】

 月の女神、ヒナ。

秋色乙女

秋の女神①  

 私のライフワーク『Avaloncity Stories』のメインヒロイン、アスターティ・フォーチュン(Astarte Fortune)の人形に、秋らしくオシャレな服を着せてみた。

 これはいわゆるロリータファッションであり、本来ならば、クールビューティーアスターティには似合わないジャンルのファッションである。しかし、このコーディネートは甘々のピンクではなく、白黒ならぬ紅白ハッキリした色使いで、硬質な美貌のアスターティにはそれなりに似合うと思う。

 さらに、この衣装が似合いそうなお人形は意外と少なくないかもしれない。案外、黒人女性ドールに着せてもハマるかもしれないのだ。そのうち、最近アマゾンで購入したバービーの「Made to Move」シリーズの黒人ドールをカスタムしてこの衣装を着せてみたい。自作小説のヒロインをドール化するつもりだ。

 この衣装一式は、プーリップとロリータファッションブランド「Angelic Pretty」とのコラボレーション商品「プルパーテ」が着ていたものである。プーリップはかなり細身のボディなので、その衣装はボークスのグラマラスなビューティーB素体を使っているアスターティには着せられないかな? と思ったら、意外な事に着せられた。

 プーリップのボディは27cmよりも25cmサイズに近いので、その分細身だ。27cmボディで細身のものだと、セキグチ並びにペットワークスのmomokoや、ボークスのビューティーSボディがある(さらに、セキグチのユノアクルスライトも同じくらいの体格のようだ)。これくらい細身だと、プーリップの服はある程度ならば着せられるだろう。それにしても、ボークスの「Whos that girl ?」や「ロストエンジェルス」の新作が出なくなったのは実に残念だ。新しい1/6素体の開発の噂を以前聞いたような気がするが、結局どうなっているのかな?

 

秋の女神②  

 かわいい足元。この靴はアゾンインターナショナル社の製品だ。本来の「プルパーテ」の付属品の靴はキツ過ぎてアスターティには履かせられない。ちなみにアスターティのビューティーB素体は、膝から下をNEO-EB素体のものと取り替えている。

 この娘は身長168cmで脚が長いという設定なので、このカスタムは必要だった。膝の二重関節がある分、脚が長くなるのだ。まあ、ビューティー素体はそのままだと正座が出来ない膝だから取り替えたというのもあるのだな。オビツボディで、ノーマルボディの脚をもう1cm長くした女性型素体があれば良いのだがなぁ。あちらは男性型のスリムボディに脚の長さを変えられるパーツが付いているのだが、今のところ女性型ボディにはそういうのはない。

 

秋の女神③  

 かわいいお手々。本来、アスターティの爪の色は唇と同じ淡いパールピンクだが、当記事の写真撮影のため、アスターティの素体と同様のカスタムをしている上に爪を真っ赤に塗っている別の素体を使用した。その別の素体は、そのうち別のキャラクターを作るために用意しているものだ。

 

秋の女神④

 頭につけている大きなリボンのカチューシャは、靴と同じくアゾンの製品(ただし、カチューシャ部分は他社ドールの付属品だったものと取り替えている)だが、アスターティがつけるとずいぶんとコスプレめいている。ロリータファッション愛好家の方々は「ロリータはコスプレではない!」と主張しているようだが、さすがに着る人次第ではコスプレめいたスタイルになってしまうのね。

 それにしても、2017年に原宿系ファッション誌であるKERAが紙媒体としては休刊してしまったのは、実に残念だ。KERAとは全く違う方向性の雑誌だが、ギャル系雑誌の代表格であるeggが一度休刊してから復活したのは奇跡だったと、私は思う。

 まあ、そもそも雑誌業界自体の厳しさが問題だろう。付録に頼るファッション誌がいい例だが、現在の日本の不況では、なかなか雑誌を買う余裕がない人が少なくないだろう(そもそも私自身、『ファイブスター物語』が休載中のニュータイプ誌は買わないし)。インターネットの普及のあおりを受けて休刊した雑誌は、少なからずあるだろう。オタク系サブカルチャー雑誌であるファンロードKERAと同じく紙媒体として休刊したのも、ネット文化に「客」を奪われたからだ。ピクシブなどのイラスト投稿サイトがいい例だ。

 

秋の女神⑤  

 この娘は外見上は「かわいい」ではなく「かっこいい」タイプのキャラクターなのだが、そんな彼女がこういう格好をするのは道化めいている。やはり、この娘がロリータ系の服を着ても、単なるコスプレ以外の何物でもないんだな。この娘はクールビューティー系の顔立ちからして、着せ替え人形としての汎用性が低いのだ。

 やはり、「本職」の着せ替え人形にはかなわないのね。

 

秋の女神⑥

 うさぎさんたちと一緒。こういう動物フィギュアは色々とほしいが、1/6ドールと釣り合うのを見つけるのは難しい。

 

秋の女神⑦ 

 結局、一番違和感がないのはこの後ろ姿なのね…失敬!

 

秋の女神⑧ 

 最後の1枚。


【松田聖子 - 風は秋色】  泣き虫なのは、あなたのせいよ。

No.44/f.32 岸和田小夜子(Sayoko Kishiwada)

Sayoko Kishiwada

《No.44/f.32 岸和田小夜子(Sayoko Kishiwada)》

①『Avaloncity Stories』第一部のキャラクター。芥川蘭子の友人。某サブカルチャー雑誌のライター。某地方都市出身で、元キャバ嬢。一時期はお笑い芸人の卵だった。元キャバ嬢がこんな容姿…? いいえ、女は「化ける」のですよ。お笑い芸人としての「そういう化粧」なのです。

②『Avaloncity Stories』第二部の外伝に相当する小説『Babelcity Explode』の登場人物。地下エリアのカフェバー兼便利屋〈ステイゴールド〉で、芥川蘭子と一緒に雑務の仕事をしている。一見だらしないグータラ女だが、いわゆる「姥皮」を被っているのかもしれない。とりあえず、まともな化粧をしている時はそれなりにキレイだろう。

 立花エレクトラ、北条シグニィ、芥川蘭子、そして岸和田小夜子。彼女たち〈ステイゴールド〉は、バベルシティの地下エリア〈リンボ・タウン〉で生まれ育った。孤児である彼女たちは、地上エリアから「降りてきた」 上級女性 アルファ である医師 曲直瀬青華 まなせ せいか や男性私立探偵 最上 もがみ ファルコなどの大人たちに育てられた。

 地下エリアには地上エリアのようなまともな教育機関はないが、その代わり私塾が点在しており、住人たちはそこで色々と学んでいる。それらで地下エリアの住人たちに読み書きを教えているのは、主に元々地下エリアの住人だが、中には曲直瀬青華などのような地上エリアからの「亡命者」たちもいる。曲直瀬ら亡命者たちは、バベルシティ上層部の体制を覆すために地下エリアに降りたのだが、それは単なる「アルファ」同士の権力闘争ではない。

強者女性 アルファ たちが〈アルファ〉たる所以はね、彼女たちが他の女たちを踏み台にして、蹴落として、成り上がったからなの。そんな女たちが『フェミニズム』やら『シスターフッド』やらを口にするのはお笑い草ね」

 小夜子らの育ての親である曲直瀬青華は自嘲気味に言う。かつての自分自身もそうだったと、彼女は自覚している。バベルシティの地下に文字通り潜り込む反体制派は、弱肉強食の世界から人々を解放するために、バベルシティという「魔都」の体制を覆す必要があるのだ。

 

 2月1日生まれ。身長160cm。好物は焼肉、豚足、エビ天丼、味噌カツクリームあんみつ。野菜は苦手気味なので、その分の栄養素はサプリメントで補っている。かなりのヘビースモーカーだが、『Babelcity Explode』ではヴェイプ(電子タバコ)を愛用している。ちなみに〈ステイゴールド〉には喫煙者は彼女しかいないので、他のメンバーたちの迷惑にならないようにヴェイプを吸っている(私は嫌煙家なので、よく知らないが、ヴェイプには普通のタバコのような害はないらしい)。

 趣味はテレビゲームなどだが、他には新聞や雑誌などの切り抜きでスクラップブックを作っている。これは絵を描く代わりではあるが、さらに情報収集の意味もある。ちなみに私自身も、若い頃は雑誌の画像を切り抜いたのを集めてスクラップブックを作っていた。これは、ファッション雑誌などの切り抜きを保存するのにちょうど良いが、読者投稿欄にある面白いネタを保存する事もあった。そういえば、かつて週刊少年ジャンプの巻末にあった読者投稿ページ『ジャンプ放送局』は、雑誌の読者投稿ページとしては珍しく単行本化されているが、『ドラゴンボール』のパロディ集が特に面白かったね。

 第一部の方の小夜子は、今はなき『ビックリハウス』のような雑誌の読者だったのが、そのような雑誌の記事を書く側に回った人である。彼女はロックバンドやお笑い芸人の追っかけをしていた経験があるが、『Babelcity Explode』の小夜子にはそのような追っかけの対象はいない。そもそも、売れっ子芸能人たちが地下世界に降りるような事態は、まずはないのだ。

 

 人形はセキグチmomokoドールのカスタム。唇にモデリングペーストを塗って分厚くした。momokoヘッドは塗装を拭い取るとそんなに美形ではないので(失敬)、この子のような不美人キャラクターを作る事が出来る。逆に、アスターティや緋奈らに使っているオビツ27cm女性型02ヘッドだと、不美人キャラクターを作るのは難しい。せいぜい、『ファイブスター物語』のシトロン・メナー王女みたいな目が細い地味系美人を作れるくらいだ。

 私が作る「アヴァロンシティ・ドールズ」は単なる「お人形さん」ではない。少なくとも、単なる「お人形さん」にはしたくない。彼らの製作の際は、いかにキャラクタードールとしての個性を作れるかが問題だ。彼らは私の物語の担い手である。私は彼らの物語の「演者」としての個性を大切にして、人形を製作したい。私の腕では、ネットオークションに出品出来るほどのものは作れないが、あくまでも自分自身の物語のために「アヴァロンシティ・ドールズ」は存在する。


【マキシマム ザ ホルモン - 小さな君の手】

No.43/f.31 グロリアーナ・デ・コンポステーラ(Gloriana de Compostela)

Gloriana de Compostela

《No.43/f.31 グロリアーナ・デ・コンポステーラ(Gloriana de Compostela)》

『Avaloncity Stories』第二部のベテラン舞台女優にして名司会者。要するに、アヴァロンシティにおける黒柳徹子氏的な存在である。愛称は〈マダム・コンピー(Madame Compee)〉。ドラァグクイーンのような華やかな装いの女性である。猫好きで甘党の永遠の乙女。本名はグロリア・ステラ・ヴェローチェ・ラヴォー(Gloria Stella Veloce Laveau)。どこかで聞いたようなミドルネームである。

 グロリアーナは芸能活動以外では、飲食業や不動産投資などの事業で成功している。彼女はアヴァロンシティでも指折りの富裕層であり、有望な若者たちを食客にしている。そして、その一人を養子にしている。彼女は生涯独身であり、実子はいない。 蓬莱 ホウライ 州の〈村雨エレクトロニクス〉社の社長 村雨信乃 むらさめ しの との交友関係がある。ちなみに、グロリアーナは競走馬の馬主であり、自らも乗馬を趣味にしている。他には、ぬいぐるみやビスクドールのコレクターでもある。

 グロリアーナの両親は共に、クラシック音楽業界で活躍した人たちである。特に父親は大物指揮者として名高く、母親も名ソプラノ歌手であった。そんな両親のもとで育ったグロリアーナ自身も、音楽大学で声楽を学んでいる。彼女は若い頃はミュージカル女優として活躍していたが、当時は本名の「グロリア・ラヴォー」を芸名にしていた。後に現在の芸名に変えたのは、ある夜に見た夢の「お告げ」によるものらしい。グロリアーナ曰く「〈ユーフォロフォニー(Euphorophony)〉という名前の美しい虹色の女神様からのお告げがあったのよ」。

 

 1月31日生まれ。身長164cm。好物はローズヒップティー、リンゴのコンポート、栗ようかん、ルビーチョコレート、ミディアムレアのビーフステーキ。前述の通り、彼女は乗馬を趣味にしているが、他にも水泳などで自らの身体を鍛えているバリバリの健康オタクである。それゆえに、下手な若者よりもよっぽど身体能力が高い。趣味は他にも、家庭菜園で野菜やハーブなどの栽培をしており、フォースタス・チャオやアスターティ・フォーチュンは、たびたび彼女から作物をおすそ分けしてもらっている。

 グロリアーナが経営している飲食店には、〈アガルタ〉生まれのバールたちが雇われているが、それは彼女が〈アガルタ・ソロモン・プロジェクト〉に賛同しているからである(それゆえに、彼女の食客たちの中にはバールたちが何人かいる)。その姿勢の通り、彼女はプレスター・ジョン・ホリデイのような差別主義的な政治家は支持しない。それゆえに、ホリデイの「宿敵」であるコートニー・サトクリフ大統領を支持しているが、コートニーとは若い頃から交友関係があった。

 前述の通り、彼女は生涯独身でいたが、少なくとも若い頃は、それなりに男性遍歴の噂があった。しかし、彼女は決して恋愛至上主義者ではなく、人生の楽しみは色々とあった。彼女は普段から、ゴシック系やロリータ・ファッションなどの服を好んで着ているが、この辺りからして、男性ウケを度外視しているのは明らかだ。芸能人としてのグロリアーナはファン層が幅広く、子供やティーンエイジャーからの人気も高い。

 

 人形は、マテル社のメアリー・ケイト・オルセンの人形のヘッドに再植毛と再塗装をしたものを、セキグチmomokoボディに付けたもの。私はこのヘッドを派手な髪色・髪型にカスタムして「こりゃ、ドラァグクイーン設定のキャラクターでないと難しい」と思っていた。しかし、首穴は成人男性型の素体には付けられないし、お子様キャラクター用ミニ素体に付けるのも無理がある。

 しかし、よくよく考えてみれば、シスジェンダーの女性有名人にも、ドラァグクイーン的な魅力を売り物にしている人が何人かいる(レディー・ガガが典型例だね)。確かに、自らがいわゆる「生物学的女性」でありながらも「女のパロディ」を演じる人はいる。それで生まれたのがマダム・コンピーだ。

 とりあえず、トランスジェンダー当事者設定のキャラクターは、本人の性自認によって、キャラクタードールとしての性別に振り分ける。ただし、性別移行を果たした後の姿でイメージした上でドール化して、人物紹介記事シリーズで扱う。そうすると、中性・無性などのノンバイナリー設定のキャラクターはどうなるのかが問題になるのだが、その場合は便宜上「Others」というカテゴリーにまとめておく。男性型ドールが「m.1」「m.2」、女性型ドールが「f.1」「f.2」とシリアルナンバーが割り振られるのに対して、中性・無性・ノンバイナリー設定のキャラクタードールは「x.1」「x.2」とナンバーを割り振る。


【Gloriana - Trouble】

No.42/f.30 松永りりこ(Ririko Matsunaga "Lilith Pandora")

Ririko Matsunaga

《No.42/f.30 松永りりこ(Ririko Matsunaga "Lilith Pandora")》

 私のオリジナルキャラクタードールたちの総称は「Avaloncity Dolls」だが、この松永りりこは厳密に言えば「アヴァロンシティ」の住人ではない。彼女はフォースタス・チャオらがいるアヴァロンとは別の植民惑星〈ディルムン〉を股にかける凄腕の賞金稼ぎである。自己再生能力を持つ上に「いくつになるか忘れた」不老不死の彼女はどこまでも旅する。その最終目標は何か?

 実はりりこは、果心居士と松永緋奈の娘であり、第一部の終盤で緋奈が果心の息子〈因心居士〉こと韓業に託した赤い石の卵から生まれた。そんな彼女は『Avaloncity Stories』第二部外伝『Babelcity Explode』の主人公である。放浪の旅を続ける彼女は、エアハウス(要塞的な機能を持つ飛行住宅)〈タイガーリリー〉号に乗って、惑星ディルムンを旅する。彼女は、恐るべき超階級社会である〈バベルシティ〉にたどり着き、仲間たちと共に都市内の巨悪と戦う事になる。

 りりこはバベルシティにたどり着く前から歴戦の勇士だったが、この恐るべき〈バビロン〉に潜む魑魅魍魎たち相手に苦戦する。それは、りりこの養父韓業にも手出しが出来ないほどの「魔窟」だった。超格差社会によって苦しめられる弱者たち。街の地下世界での〈モードギャング〉同士の抗争。それは、他の地域での一連の戦争とつながっていた。

 彼女は他の賞金稼ぎたちと共に、地下エリアにあるコロシアムへの参戦や、「義賊」的な便利屋集団〈ステイゴールド〉への協力などを経て、この世界がなぜ「歪んだ」のかを知る。ダンテの『神曲』で描かれている地獄を思わせるような地下世界で、彼女が見たものは何だったのか?

 

 11月17日生まれ。身長168cm。その黄色い髪と赤と青のオッドアイという姿は、今はなきゲーム機ドリームキャスト用のシミュレーションゲーム『戦国TURB』のヒロイン「じのちゃん」が元ネタだが、私は実際にはそのゲームをプレイしていない。このゲームは発売当時、結構話題になっていたのが印象的だったので、ヒロインの容姿の要素がりりこに入ったのだ。

 ライバル(実は果心と緋奈から生み出された他の石の卵から生まれた妹)の織田こずえと同じく、名前の由来は岡崎京子氏の名作漫画『ヘルタースケルター』に登場する人物、すなわちヒロインの〈りりこ〉である。つまりは、彼女たちは第二部本編のネミッサ・ハラウェイ・フォーチュンの「姉妹」なのだ。しかし、こずえはりりこに対しては特にライバル意識を抱いていないようだ。要するに、ほぼ無関心なのね。

 好物はモツ鍋、担々麺、焼き芋、ざるそば、焼きうどん、諸々の山菜&ジビエ料理。自分で狩りをするし、獲物をさばいて料理する。味噌などを手作りするし、他にも色々と器用さを見せる。彼女は猟の獲物を各地の者たちと物々交換して暮らしている。彼女が子供の頃から自分の世話をしてくれたガイノイド〈ヒサメ〉のメンテナンスをするなど、機械いじりも得意だ。そんなりりこは、両親譲りの常人離れした戦闘能力を駆使して、バベルシティの「巨悪」たちに喧嘩を挑む。

 

 人形はオビツ27cm女性用02ヘッドとボークスNEO-EBを組み合わせている。髪はボークスの黄色いドールヘアを樹脂用染料でオレンジ色に染めたつもりだったが、染まりきらずに微妙な山吹色になった。しかし、これで良かったと、我ながら思う。ちなみに、りりこの髪と目の色は生まれつきのものだが、その容姿ゆえにガイノイド(女性型アンドロイドで、別名は「フェムドール」)と間違われる事が少なくない。しかし、彼女と接した人間はすぐに、彼女がガイノイドではないと気づく。いずれにせよ、普通の人ではないのだが。

 実写化するなら、「りりこ」つながりで沢尻エリカさんがいいな…と思ったが、沢尻さん自身が猛烈に嫌がりそうだ(笑)。というか、当人が不祥事を起こして事実上引退してしまったので、不可能である。りりこは前述の通り『戦国TURB』のヒロイン「じのちゃん」の容姿をモデルにして作ったお人形だが、実年齢の設定より若い容姿という点は共通している(彼女は最低でも600年ほど生きている)。りりこの頬に描かれているピンクのハート模様は、タトゥーシールを貼ってあるという設定である。

 りりこは『Avaloncity Stories』本編における果心や緋奈や范蠡などと同じく、孤児たちを育てては自立させていった。惑星ディルムンには、そんな彼女の「子供たち」があちこちに存在する。彼らは「母」りりこの危機を救うために、バベルシティを目指す。植民惑星に蘇った〈魔都バビロン〉の圧政を覆すため、ディルムンの人民たちは蜂起するのだ。


【山下久美子 - リリス】