Avaloncity Dolls

私、「信頼出来ない語り手」明智紫苑の自作小説とカスタマイズドール中心の我楽多ブログです。

No.42/f.30 松永りりこ(Ririko Matsunaga "Lilith Pandora")

Ririko Matsunaga

《No.42/f.30 松永りりこ(Ririko Matsunaga "Lilith Pandora")》

 私のオリジナルキャラクタードールたちの総称は「Avaloncity Dolls」だが、この松永りりこは厳密に言えば「アヴァロンシティ」の住人ではない。彼女はフォースタス・チャオらがいるアヴァロンとは別の植民惑星〈ディルムン〉を股にかける凄腕の賞金稼ぎである。自己再生能力を持つ上に「いくつになるか忘れた」不老不死の彼女はどこまでも旅する。その最終目標は何か?

 実はりりこは、果心居士と松永緋奈の娘であり、第一部の終盤で緋奈が果心の息子〈因心居士〉こと韓業に託した赤い石の卵から生まれた。そんな彼女は『Avaloncity Stories』第二部外伝『Babelcity Explode』の主人公である。放浪の旅を続ける彼女は、エアハウス(要塞的な機能を持つ飛行住宅)〈タイガーリリー〉号に乗って、惑星ディルムンを旅する。彼女は、恐るべき超階級社会である〈バベルシティ〉にたどり着き、仲間たちと共に都市内の巨悪と戦う事になる。

 りりこはバベルシティにたどり着く前から歴戦の勇士だったが、この恐るべき〈バビロン〉に潜む魑魅魍魎たち相手に苦戦する。それは、りりこの養父韓業にも手出しが出来ないほどの「魔窟」だった。超格差社会によって苦しめられる弱者たち。街の地下世界での〈モードギャング〉同士の抗争。それは、他の地域での一連の戦争とつながっていた。

 彼女は他の賞金稼ぎたちと共に、地下エリアにあるコロシアムへの参戦や、「義賊」的な便利屋集団〈ステイゴールド〉への協力などを経て、この世界がなぜ「歪んだ」のかを知る。ダンテの『神曲』で描かれている地獄を思わせるような地下世界で、彼女が見たものは何だったのか?

 

 11月17日生まれ。身長168cm。その黄色い髪と赤と青のオッドアイという姿は、今はなきゲーム機ドリームキャスト用のシミュレーションゲーム『戦国TURB』のヒロイン「じのちゃん」が元ネタだが、私は実際にはそのゲームをプレイしていない。このゲームは発売当時、結構話題になっていたのが印象的だったので、ヒロインの容姿の要素がりりこに入ったのだ。

 ライバル(実は果心と緋奈から生み出された他の石の卵から生まれた妹)の織田こずえと同じく、名前の由来は岡崎京子氏の名作漫画『ヘルタースケルター』に登場する人物、すなわちヒロインの〈りりこ〉である。つまりは、彼女たちは第二部本編のネミッサ・ハラウェイ・フォーチュンの「姉妹」なのだ。しかし、こずえはりりこに対しては特にライバル意識を抱いていないようだ。要するに、ほぼ無関心なのね。

 好物はモツ鍋、担々麺、焼き芋、ざるそば、焼きうどん、諸々の山菜&ジビエ料理。自分で狩りをするし、獲物をさばいて料理する。味噌などを手作りするし、他にも色々と器用さを見せる。彼女は猟の獲物を各地の者たちと物々交換して暮らしている。彼女が子供の頃から自分の世話をしてくれたガイノイド〈ヒサメ〉のメンテナンスをするなど、機械いじりも得意だ。そんなりりこは、両親譲りの常人離れした戦闘能力を駆使して、バベルシティの「巨悪」たちに喧嘩を挑む。

 

 人形はオビツ27cm女性用02ヘッドとボークスNEO-EBを組み合わせている。髪はボークスの黄色いドールヘアを樹脂用染料でオレンジ色に染めたつもりだったが、染まりきらずに微妙な山吹色になった。しかし、これで良かったと、我ながら思う。ちなみに、りりこの髪と目の色は生まれつきのものだが、その容姿ゆえにガイノイド(女性型アンドロイドで、別名は「フェムドール」)と間違われる事が少なくない。しかし、彼女と接した人間はすぐに、彼女がガイノイドではないと気づく。いずれにせよ、普通の人ではないのだが。

 実写化するなら、「りりこ」つながりで沢尻エリカさんがいいな…と思ったが、沢尻さん自身が猛烈に嫌がりそうだ(笑)。というか、当人が不祥事を起こして事実上引退してしまったので、不可能である。りりこは前述の通り『戦国TURB』のヒロイン「じのちゃん」の容姿をモデルにして作ったお人形だが、実年齢の設定より若い容姿という点は共通している(彼女は最低でも600年ほど生きている)。りりこの頬に描かれているピンクのハート模様は、タトゥーシールを貼ってあるという設定である。

 りりこは『Avaloncity Stories』本編における果心や緋奈や范蠡などと同じく、孤児たちを育てては自立させていった。惑星ディルムンには、そんな彼女の「子供たち」があちこちに存在する。彼らは「母」りりこの危機を救うために、バベルシティを目指す。植民惑星に蘇った〈魔都バビロン〉の圧政を覆すため、ディルムンの人民たちは蜂起するのだ。


【山下久美子 - リリス】