Avaloncity Dolls

私、「信頼出来ない語り手」明智紫苑の自作小説とカスタマイズドール中心の我楽多ブログです。

No.37/m.11 楽毅/ベル・シャマシュ(Yue Yi / Bel Shamash)

Yue Yi

《No.37/m.11 楽毅/ベル・シャマシュ(Yue Yi / Bel Shamash)》

「私はお前とランスロット たす けたい」

 彼は罪深き韓信に言う。その目は慈愛の光を宿す。彼はある〈善の女神〉のように優しい目をしている。

①かつて地球上にいた神々の一人であり、一時期は中国・戦国時代の えん 国の大将軍だった事がある存在。「人類の進化を司る神々」の集団並びにその本拠地である〈アガルタ〉の総長(President)。「楽毅」としての彼の先祖である楽羊将軍以来、楽家は「海の娘」を娶って血脈を保ち続けた。〈アガルタ〉の総長になる前の彼は、『Avaloncity Stories』第一部最大のキーパーソンである魔神マルドゥークの親友だった。

 そんな彼は、何度も人間に生まれ変わっては世界に混乱をもたらすマルドゥークや、シャマシュ自身の妹イシュタルに悩まされる。彼は普段はアガルタにいるが、時々地上に出て人間に生まれ変わって色々と調査している(その空白期間中、アガルタで「摂政」でいるのが、ラムセス2世の息子だったカエムワセト王子である)。そんな彼と伍子胥の関係は、『ファイブスター物語』のアマテラスとカイエンのようなものである。

 彼は『Avaloncity Stories』第一部の初代フォースタス・チャオ(趙翔)の岳父にして守護者である。さらに、魔術師マーリンの父親でもある。つまりは、初代アスターティ・フォーチュンの祖父でもあるのだ。中国史の名将の一人としての彼については、今さらこの場では語る事はないが、彼と韓信の関係はいわば、アテナとアラクネ、マドンナとレディー・ガガディープインパクトオルフェーヴルのようなものだろう。

②『Avaloncity Stories』第二部の未来の植民惑星においては、果心居士と松永緋奈の実子アーサー・フォースタス・フォーチュン(Arthur Faustus Fortune)に生まれ変わり、アヴァロン連邦初代大統領となる。彼の民たちを見る目は温かい。

 実は第二部以降の蓮華院家はアーサー・フォーチュンの血を引いている。彼がエスター・ナナ・フォーチュンと出会って結婚する以前に恋人だった女性が生んだ息子が、後の蓮華院家の祖先である。アーサーは二股をかけてはいなかったが、その女性蓮華院奈々は、自分が彼に釣り合う存在ではないと悟り、自ら身を引いたのである。

③第三部においても、様々な存在に生まれ変わり、かつての地球人たちの末裔を見守り続ける。そんな彼/彼女のフルネームは「シャマシュ・ユーフォロフォニー(Shamash Euphorophony)」である。 彼女 ・・ と「悪の女神」タキア(Taquia/Takia)の因縁はどこまでも続くのだ。ユーフォロフォニーについては別の記事で解説する。

 

 5月7日生まれ(もちろん、史実の楽毅とは無関係である)。身長180cm。好物は回鍋肉、関西風うどん、麦とろご飯、牛タン定食、寒天を使ったコーヒーゼリー(昭和後期の日本で食べて気に入ったらしい)。彼は時々、人間社会に出てきては、気ままな観光や生活を楽しんでいる。

 彼は第一部から第三部まで登場する数少ない歴史系キャラクターの一人である。そして、第一部・第二部・第三部・番外編のどの話においても、「ランスロット」は彼に対しては頭が上がらない。彼はその正体ゆえに、史実や宮城谷版以上の「チート」キャラクターだが、さすがに『ファイブスター物語』のカレンほどの力はない。まあ、伍子胥にとっては目の上のたんこぶなのだが…。

 第二部のアーサー・ユエは一応、彼の遠い(かなり遠過ぎる)子孫だが、とても「君子」楽毅の子孫とは思えないスキャンダルによって身を滅ぼすのは、『ファウストの聖杯』並びに『Fortune』に描かれている通りである。まあ、彼は楽毅の生まれ変わりではないし、全くの別人なのだが。

 

 人形はオビツ27cm女性型02ヘッドにヒゲを植毛し、スリムメンズボディに取り付けた。元々実際に人形を作る前に絵があったのはフォースタス、アスターティ、アスタロス、ランス・ファルケンバーグ、「百合姫」エレインと彼くらいだったが、予定よりも童顔になってしまったのは痛恨のミスだった。

「ヒゲを生やしても童顔はごまかせないよ」

 …確かに。

 このヒゲ、さらには長い黒髪という容姿は、男性キャラクタードールとしては着せ替え人形としての汎用性がなきに等しい。やはり、この人には歴史的・時代的な衣装が似合うのであり、現代的なコーディネートは似合わないだろう。そもそも、長髪の男性ドール自体が、短髪男性ドールに比べてファッションドールとして扱いづらいのだ。まあ、それを言うなら、男性ファッションそのものの「限界」というのが、現実の人間のオシャレにもあるのだが。

 何だかんだ言っても、彼は基本的に心優しく慈悲深い人物であり、心から悔い改めた者には救いの手を差し伸べる。それが光の神シャマシュ、並びに善の女神ユーフォロフォニーである。


【Norah Jones - Sunrise】