Avaloncity Dolls

私、「信頼出来ない語り手」明智紫苑の自作小説とカスタマイズドール中心の我楽多ブログです。

No.38/m.12 エンキ・メルカート(Enki Melkart)

Enki Melkart

《No.38/m.12 エンキ・メルカート(Enki Melkart)》

『Avaloncity Stories』第三部に登場する魔法戦士。「鬼谷先生」と呼ばれる人物(すなわち 范蠡 はん れい )の弟子。ニース(理恵子)とレシェフ(将門)の父。妻・ 蓮華院千瀬 れんげいん ちせ は子供たちがまだ幼い頃に病死している。エンキ自身、謎の病によって本来とは容姿が変わっており、右目を失明している。その病は伝染病ではないが、何者かの「呪い」だと噂されており、彼はある山奥に隠遁している。そのため、娘ニースと息子レシェフは南の国ソーニアに仕官のアテを求める。

 彼はアヴァロン帝国の〈東方十二諸侯〉の一つであるウェイランド(Weyland)の魔法戦士一族の名門メルカート家の一員である。かつてはヘンリー・フォースタスやサラ・マニャール(サラスヴァティ・マグナード)らと共に鬼谷先生(范蠡)に師事していた。ウェイランドは小国だが名門(フォースタス・チャオの子孫であるウェイランド・フォーチュン家が当主)であり、ヘンリー・フォースタスもこの国の出身だった。しかし、エンキとヘンリーははるか東の帝国 泰夏 タイシャ に渡り、鬼谷先生に師事した。

 彼は謎の難病により全身に斑点があるが、それでも常人以上の武力を持つ。そんな彼の姿を見たある人は、〈聖なる星〉から語り継がれる物語の人物に彼をなぞらえた。すなわち、「フランケンシュタインの怪物」と。彼は一部の者たちから、ある殺人事件の犯人の疑いをかけられているが、彼の「師匠」すなわち鬼谷先生の遺体を見た者はいない。そもそも、鬼谷先生の正体である范蠡自体が不老不死なのだが…。

 息子レシェフは父エンキの無実を信じているが、問題の殺人事件の真犯人が何者かを知るのは、ソーニアの宰相になったヘンリー・パーシヴァル・フォースタスではないかと確信している。第二部のソーニア州がかつての地球のアメリカにおける「バイブル・ベルト」に似ていたのに対して、第三部のソーニア王国はインドなどの南アジアを思わせる地域になっていた。

 

 6月5日生まれ。身長190cm。好物は山羊汁、ミネストローネスープ、うさぎの丸焼き。彼は山奥で自給自足の一人暮らしをしており、家族親戚との関わりを絶っている。娘ニースと息子レシェフは、父がなぜ外界との交流を絶っているのかを「無実の罪のため」だと思っているが、彼が隠遁しているのはそれだけではないようだ。

 エンキは「フランケンシュタインの怪物」と例えられる容姿を恐れられていたが、彼の素性を知る人たちには慕われていた。彼はそのような協力者たちのおかげで生きてこられた。彼には医術の心得はあるが、そんな彼にも、自らの病は治せない。もちろん普通の医者にも治せない病だが、これが第二部時代の医学で治療出来た病気なのか、それとも何者かの呪いがもたらしたものなのかは、分からない。

 

 人形は、某社の某アクションフィギュアの素体(元ネタを知らない)とボークスNEO-GUYヘッドのカスタム。顔にモデリングペーストを盛り付けた上に全面的に彩色しており、髪は黒のレース糸を植毛し、彩色している。素体にも顔と同じく斑に彩色しており、恐ろしい姿になっている。そのような姿なので、着せ替え人形としての汎用性はほぼない。まあ、他のキャラクターたちと同じく、物語の登場人物としては「スターシステム」を用いて他のキャラクターを演じさせる事は可能なのだ。

 彼に使っている素体は長身の造形なので、物語の登場人物としての彼はかなりの長身に設定している。この素体は脚の造形がかなり独特なので、私はこれでどのようなキャラクターを作ろうか迷っていた。しかも、肌色が青ざめた(というか、かすかに灰色がかった)色合いなので、健康的なキャラクターを作れない。それで苦肉の策として作ったのが、この「病める魔法戦士」エンキ・メルカートである。

 彼がいる『Avaloncity Stories』第三部は、いわゆる「異世界ファンタジー」的な世界観だが、惑星アヴァロンに生息する人間たちは地球人の子孫である。そして、各地の様々な農作物は〈聖なる星〉地球からもたらされたものである。それゆえに、トマトやジャガイモなどの農作物は当たり前のように出てくる。だから、『Avaloncity Stories』第三部は厳密に言えば「異世界ファンタジー」ではなく「遠未来SF」である。そして、第三部で描かれる「魔法」とは「超能力」と言い換えられるものである。エンキら魔法戦士たちは第二部のバールたちと天然の人間たちが融合した「新人類」の子孫たちだが、それは普通の人間たちも同じである。


【Blackmore's Night - Under a Violet Moon】