Avaloncity Dolls

私、「信頼出来ない語り手」明智紫苑の自作小説とカスタマイズドール中心の我楽多ブログです。

No.40/f.28 浜凛華(Rinka Hama)

Rinka Hama

《No.40/f.28 浜凛華(Rinka Hama)》

 小説『恋愛栽培』のヒロインである花川加奈子の敵となった女性。すなわち、『Avaloncity Stories』第一部の登場人物である。悲惨な少女時代を過ごして転落した彼女は、かつて自分がいじめていた元クラスメイト加奈子を逆恨みし、怪しい人脈を使って彼女を陥れようとするが、最後は蓮華院秀虎の振るう 属鏤 しょくる の剣に悪霊を斬り裂かれて四散した。〈アガルタ〉の精霊/仙人である果心居士は、彼女から「悪の女神」タキアの気配を感じていたようだ。

 しかし、彼女の魂は数百年後に果心と松永緋奈の娘(すなわち、アーサー・フォーチュンや松永りりこらの姉)として生まれ変わり、前世では得られなかった幸せを得る。新たに生まれ変わった凛華には「悪の女神」の影はない。そして、果心と緋奈が宇宙移民船〈アヴァロン〉号と共に地球を去ってからも、彼女は伍子胥孫武、さらには恋人ケンと共に地球に留まり、世界を見守る。

 地球人類滅亡後の未来(約5000万年後)、彼女は新たな精霊となって、緑の星地球の中に溶け込んでいた。かつての人類を導いた神々と精霊たちの集団〈アガルタ〉はすでにない。残された彼女たちは新たな しゅ に魂を吹き込み、それらはさらに未来の知的生命体となっていくだろう。

 

 6月26日生まれ。身長165cm。好物はトンカツ、うな丼、焼肉、ビール。ちなみに彼女は『Avaloncity Stories』の登場人物としては珍しい愛煙家である。少なくとも、『恋愛栽培』の時点では、愛煙家でないと違和感があるキャラクターだ。彼女は子供の頃から苦労を強いられ、非行少女となった。母親の再婚相手やその他の男たちからたびたび性的虐待を受け、売春や違法薬物に染まり、ホストとの短い結婚生活によってシングルマザーになった挙げ句、生ける悪霊と化してこの世から消えた。しかし、残された娘はある資産家の養女になった。

 その問題の娘 浜凛蘭 はま りんらん は、彼女が祖母に虐待されているところを覗き見した果心の児童相談所への通報によって養護施設に保護されたが、後に海外の資産家夫婦に引き取られ、その家の養女になった。彼女は改名し、自分の母親や祖母などの記憶を忘れ、健やかに育っていった。〈アガルタ〉の者たちは彼女に対しては「悪霊」の影を見出さず、そのまま放っておいた。新たな名前と身分を得た娘は、この世の地獄から抜け出して幸せな人生を歩んだだろう。

 今時の女の子ではすっかり少数派になってしまった黒ギャルの凛華嬢だが、単なる「悪役ギャル」のままにしておくのが惜しいキャラクターなので、果心と緋奈によって新たな生を得る事にした。やはり、ドール化すると情が移るのね。当然、生まれ変わった凛華は前世とは違って善良そのものである(ついでにタバコを吸わなくなっている)。

 

 人形はオビツ27cm女性用02ヘッドとスーパーアクションジェニー素体を組み合わせたが、日焼け肌色のヘッドは限定の希少品である。それに合わせて、素体を樹脂用染料で染めた。日本のドール界では日焼け肌の子が不遇なのね。しかも、基本となる肌色の名称が「ノーマル」だの「ナチュラル」だのは、明らかに偏っている。せめて「ミディアム」という名称にした方が良いと思う。いや、「ミディアム」でも不十分かもしれない。

 ペットワークス『六分の一男子図鑑』の素体の基本的な肌色の名前が「アイボリーベージュ」なのは、中立的で良い名称だと思う。このように、色白肌も日焼け肌(もしくは黒人系ドールの肌色)も、何とか良い名称を使ってもらいたいね。そもそも、日本のドール界は濃い肌色のお人形に対して冷遇していると思うのだが、肝心のドールファン自体が「黒ギャル」的なキャラクターを好まない人が多いか…。

 まあ、ドールファンは色々な意味で「ギャル系」とはかけ離れた人が多そうだし、ギャル系ドールの需要自体がほとんどないのだろう。アメリカには白人貧困層(日本のネットスラングで言う「DQN」な人たち)をモチーフにした「トレーラー・トラッシュ・ドール」というブラックジョーク的な着せ替え人形があるのだが、あのようなお人形の商品化は日本では十中八九あり得ないだろう。だからこそ、カスタムドールとして、そのようなキャラクターを作る余地はあるのだ。


【DOMINO - TORA TORA TORA】